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施政方針

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令和2年度 施政方針

 令和元年度美里町議会3月会議の初日に当たり、わたくしの所信を申し上げますとともに、令和2年度の施政方針につきまして、議員各位並びに町民の皆様の御理解、御協力を賜りたいと存じます。

 初めに、国内の情勢を眺めますと、GDPは名目・実質ともに過去最大規模に達し、国民生活に密接に関わる雇用・所得環境も大きく改善、特に、雇用面では、生産年齢人口が減少する中にあっても、女性・高齢者の労働参加により就業者の増加につながっているとされております。また、このような経済情勢下において、令和元年10月に、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定的な財源を確保するため、消費税率の8パーセントから10パーセントへの引上げが実施され、幼児教育・保育の無償化が開始されたのは、記憶に新しいところです。

 さて、平成を振り返りますと、平成から令和の時代に引き継がれた課題が多いことは否めず、人口減少・少子高齢化の進行、生産性と成長力の伸び悩み、世界的なデジタル化の流れ、エネルギー・環境制約の高まり、地方経済の活性化、大規模自然災害の頻発、社会保障と財政の持続可能性など、我が国が直面する大きな変化や喫緊の課題は、枚挙に暇がなく、特に、人口減少や少子高齢化の急速な進展は、我が国の経済が直面する最大の壁となっているところであります。
 国では、持続的かつ包摂的な経済成長の実現と財政健全化の達成を両立させていくことが、我が国の経済が目指すべき最重要目標であり、引き続き「経済再生なくして財政健全化なし」の基本方針の下、経済再生と財政健全化に一体的に取り組むこととしております。

 また、地方行政に目を向けると国では、地方財政対策として、人づくり革命の実現や地方創生の推進、防災・減災対策等に取り組みつつ、安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税等の一般財源総額について、令和元年度を上回る額を確保するとともに、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を令和元年度に改訂し、活力ある地域社会の実現と東京圏への一極集中の是正を目指す「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定したところです。

 「令和」という新たな時代の幕開けとなる令和2年度は、美里町において、平成28年3月に策定しました「美里町総合計画・美里町総合戦略」の基本計画5年間の最終年度となります。これまで、「教育環境の充実と人材育成」「地域産業の発展と雇用の確保」「人口減少の抑制と高齢社会への対応」「子育て環境の整備」の4つの視点を柱に、重点実施施策の取組を進めてまいりました。令和2年度は、これまで取り組んできた成果、課題をしっかりと検証し、将来目標である2040年を見据えながら、エビデンスに基づく政策立案に努め、次の5年間に何をすべきか、時流を捉えつつ、多くの町民の皆様のお力添えを賜りながら、「美里町総合計画・美里町総合戦略」の第2ステージとなる基本計画を策定してまいります。
 政策実現のためには、財政基盤の確立をはじめとした、限られた資源である「ヒト・モノ・カネ」を今後どのように配分するかが重要であります。窓口業務等の委託化については、計画的に進めるとともに、保育所及び幼稚園の運営の在り方についても検討してまいります。また、更なる民間活力の活用を進める必要がありますことから、包括連携協定をはじめ様々な形で、民間事業者が有する専門性を活用できる分野での連携強化に、積極的に取り組んでまいります。町有未利用地の利活用や公共施設マネジメントの推進におきましても、同様に強化してまいります。

 わたくしの政治信条は「至誠天に通ず」であります。常に誠意をもって事に当たれば、おのずと道は開ける。令和2年度におきましても、この思いで自らが先頭に立ち、行財政運営の舵取り役を全うしてまいる覚悟でありますので、議員各位並びに町民の皆様の御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げるしだいであります。
 以下、各分野にわたり、順次わたくしの所信を申し上げます。

 はじめに、定住化の推進について申し上げます。
 平成27年度から取り組んでおります定住促進奨励事業につきましては、通勤や通学に利便性の高い本町の特色と定住者への助成制度を広く周知し、引き続き若い世代の定住につながるよう努めてまいります。また、活用できる空き家情報の収集及び提供に努めながら、宮城県と連携して行っております東京圏から地方への人の流れを創る移住支援事業に継続して取り組んでまいります。

 次に、地域づくりに関する施策について申し上げます。
 行政区、自治会の活動につきましては、町内各地域において、それぞれの地域の特色をいかした自主的な活動が展開されておりますことから、補助制度を継続することで地域活動を推進してまいります。また、平成30年度から3年間の取組とし、避難所となる地域集会所の環境整備、防災備品の購入等への支援を行ってまいりましたが、令和2年度が最終年度となりますことから、未実施の行政区の取組を支援してまいります。

 次に、住民交流及び平和行政の推進について申し上げます。
 地域間交流を推進する事業につきましては、多方面における交流の掘り起こしを行いながら、交流人口の増加を図ってまいります。特に、町名が「美里町」であることを縁に友好都市協定を締結しております福島県会津美里町と、特産品の相互PRやイベントなどの情報発信に努めながら、両町の住民同士の交流につながる取組を進めてまいります。また、災害時における相互応援に関する協定を締結しております山形県最上町につきましても、引き続き、災害時のみに限らず、平常時からの相互交流を推進してまいります。
 国際交流事業については、お互いの文化を理解し、国際感覚を身に付け、より広い視野を得ることのできる貴重な機会でありますことから、本町と国際友好姉妹都市であります米国ミネソタ州ウィノナ市と中学生及び高校生の相互訪問を引き続き実施してまいります。

 平和行政につきましては、核兵器の廃絶と世界の恒久平和を願い、非核平和推進事業を進めてまいります。将来を担う子どもたちを対象とした平和体験学習事業や原爆パネル展などを実施し、戦争の悲惨さ、平和の尊さを学ぶ機会の創出に努めながら、令和2年度については、「平和を考えるつどいin美里」を実施してまいります。

 次に、交通安全及び防犯対策について申し上げます。
 交通安全対策につきましては、交通安全指導隊の隊員確保に努めるとともに、平成30年3月に策定しました「美里町交通安全計画」に基づき、交通安全指導隊をはじめ、関係機関と連携した参加型、協働型の交通安全活動を推進してまいります。また、交通安全思想の普及啓発にも努めてまいります。更に飲酒運転の根絶と子どもや高齢者等、交通弱者の交通事故防止に重点を置き、「人」の視点に立った通学路や生活道路、幹線道路における交通安全施設等を整備してまいります。
 このような中で、令和元年7月に美里町として交通死亡事故ゼロ2年間を達成し、今なお記録を更新し続けておりますことは、住民の皆様の交通安全に対する高い意識、関係機関皆様の取組の成果と考えております。

 防犯対策については、全国的に複雑化、多様化及び凶悪化する犯罪の増加傾向がありますことから、遠田警察署及び町内の防犯関係機関・防犯関係団体、小中学校、PTA等と連携を図りながら地域の安全運動の推進を強化し、防犯実働隊の隊員の確保に努め、住民皆様への防犯対策の呼びかけと犯罪の未然防止に努めてまいります。 
 
 次に、地域公共交通対策について申し上げます。
 住民バスの運行につきましては、より利便性の高い身近な移動手段として、安全・安心な運行を実施してまいります。また、利用者の要望に応じた運行路線の見直し、南郷地域で実施しておりますデマンドタクシーの運行等、地域公共交通の効果的な運行体系の確立を目指し、利用者の利便性の向上に努めてまいります。
 平成30年度から実施しております自動車運転免許証を自主返納した住民への住民バス及びデマンドタクシーの無料乗車券を交付する事業については、引き続き、関係機関と協力しながら、高齢者の自動車運転による事故の防止につながるよう、制度を周知してまいります。

 次に、地域福祉の推進について申し上げます。
 地域で支え合う福祉社会の実現につきましては、「第1期美里町地域福祉計画」に基づき、社会福祉法人美里町社会福祉協議会、民生委員・児童委員及び各種ボランティアの活動を支援してまいります。また、生活相談員の配置を継続し、関係機関と連携しながら、児童虐待の早期発見、自殺予防等に取り組んでまいります。
 なお、「第2期美里町健康増進計画」における「こころの健康づくり」分野の推進を図るための行動計画として、令和2年3月に「第1期美里町自死対策計画」の策定を予定しており、「誰も自死に追い込まれることのない美里町」を目指してまいります。

 次に、高齢者福祉の推進について申し上げます。
 高齢者が住み慣れた地域で、生き生きと自立した生活を続けることができるよう、高齢者の健康づくりや一人一人の状況に応じた介護予防等に努めるとともに、認知症への理解を深めていくための啓発に取り組んでまいります。また、地域の医療機関、介護サービス関係団体の協力を得ながら、福祉サービスと在宅医療が切れ目なく一体的に提供できる体制づくりに、継続して取り組んでまいります。
 なお、平成30年3月に策定しました「美里町高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画」が最終年度を迎えることから、その事業内容について評価し、次期計画の策定を進めてまいります。

 次に、障害者福祉の推進について申し上げます。
 障害のある人も、ない人も一人一人が輝き、ともに生きるまちづくりを進めるため、引き続き、障害への理解を深めるための研修会の開催、各種の支援事業を実施してまいります。また、障害者グループホームが町内で開所し、障害者の地域生活を支援する取組が開始されております。令和2年度におきましては、夜間等緊急時に障害者を受け入れることができる体制づくりを進め、更なる地域ネットワークの形成に取り組んでまいります。
 障害者の方々が自立した生活を送る上で欠かせない相談支援体制については、町内の相談支援センターで継続して取り組むとともに、大崎圏域を一つとした重層的な相談支援体制の構築に向けた検討も進めてまいります。
 なお、「第5期美里町障害福祉計画・第1期美里町障害児福祉計画」が最終年度を迎えることから、次期計画の策定を進めてまいります。

 次に、子育て支援について申し上げます。
 子育て環境の充実につきましては、これまで保育所と幼稚園の連携を密に取り組んでまいりましたが、全国的に保育の需要が高まる中、本町においても、待機児童は解消しておりません。
 児童の受け入れ拡大については、既存の施設では限界がありますことから、認可外保育施設の小規模保育施設への移行を支援するとともに、駅東地区に保育所を整備する民間事業者を公募するなど、民間活力の活用に取り組んでまいりました。令和2年4月には、新たに整備された民間保育所が開園することで児童の受入れは拡大されますが、一方で、女性の社会進出、令和元年10月に実施されました幼児教育・保育の無償化の影響は大きく、保育ニーズは上昇傾向にあります。
 このような情勢下において、本町としましては、令和2年3月に策定を予定しております「第2期美里町子ども・子育て支援事業計画」に基づき、保育ニーズを引き続き検証しながら、保育所、幼稚園及び児童館における児童等の受け入れ態勢をしっかりと検討してまいります。また、児童手当、医療費助成等の支給を継続し、子育て世代の経済的な負担を軽減してまいります。

 次に、保健活動の推進について申し上げます。
 生活習慣病などから住民の健康を守るための保健活動の推進につきましては、「第2期美里町健康増進計画」及び「第2期美里町食育推進計画」に基づき、住民一人一人が自らの健康を守るための健康づくりに取り組み、生涯を通じて健康で自立した生活が送れるよう関係機関と連携し事業を進めてまいります。
 健康寿命の延伸を実現するためには、生活習慣病の予防や疾病の重症化を予防することが大切です。健康診査の結果に基づく個別の保健指導の充実を図り、生活習慣の改善を促すための対策と、疾病の早期発見、早期治療を図るため、各種検診の受診率向上に取り組んでまいります。

 国民健康保険事業については、都道府県と市町村が共同で国民健康保険の運営に当たってまいりましたが、令和2年度において、平成26年度末に廃止となった退職者医療制度の経過措置対象でありました退職被保険者が一般被保険者に移行します。本町としては、宮城県と連携を密にして資格管理、保険給付、保険税の賦課・徴収、保健事業等の地域における事業を引き続き担いながら、財政運営の安定化に努めてまいります。
 国民健康保険事業として実施する保健事業につきましては、被保険者の生活習慣病の予防や疾病の早期発見、早期治療を図るため、令和元年度から特定健康診査の受診者負担を無料としておりますが、未受診者に対する細やかなアプローチを含め、特定保健指導を受診しやすい環境づくりに努めてまいります。また、脳健康診査の65歳と70歳の節目検診も実施してまいります。更には、保険者として、人間ドックを受診する65歳から74歳までの受診者に対する補助の拡充を継続するとともに、被保険者が高齢化する中で、新たに65歳から74歳までの被保険者の聴力検査を実施し、健康増進につながるよう取り組んでまいります。

 後期高齢者医療制度については、医療の発達、食生活環境の改善などにより、人生は100年時代を迎えると言われる中で、団塊の世代が後期高齢者に達するいわゆる2025年問題を目前に控え、被保険者数が年々増加しております。引き続き、宮城県後期高齢者医療広域連合と連携を図りながら、被保険者の皆様が安心して医療を受けられるよう、健全な制度運営に努めるとともに、令和2年度は、健康診査の大切さの理解啓発に努めてまいります。

 健やかな母子保健活動の推進につきましては、子どもたちを取り巻く環境が変化する中、個々の家庭や養育者が抱える問題が多様化しており、家庭の状況に応じた個別支援と「人」と「人」をつなぐネットワークづくりが大切となっております。このことから、乳幼児健康診査や育児相談、家庭訪問の実施により、妊娠、出産、子育ての各期間にわたって切れ目のない支援を行うほか、妊娠期の相談体制の強化にも努めてまいります。

 次に、地域医療体制の充実について申し上げます。
 地域医療につきましては、周辺自治体との連携を強化し、大崎・栗原医療圏、石巻医療圏への重篤患者の救急医療体制を確立しております。平日夜間及び休日の初期救急医療については、これまでと同様に町立南郷病院で対応するほか遠田郡医師会、大崎市医師会等に協力を求めてまいります。
 町立南郷病院は、今後とも地域の医療拠点として、良質な医療サービスの提供に努めるとともに、「美里町病院事業新改革プラン」に基づき、必要とされる医療スタッフの確保を図りながら、住民が安心できる医療を提供するために、ほかの医療機関と連携を行いながら健全な経営に努めてまいります。
なお、町立南郷病院を含めた多くの公立・公的病院は、国の「再編統合の必要性について特に議論が必要な公立・公的医療機関等」とされました。今後は、宮城県地域医療構想調整会議の場で、具体的対応方針や構想区域全体の2025年の医療提供体制について協議を重ね、合意を得ることとしております。

 次に、公衆衛生及び消費者行政について申し上げます。
 空き家等対策につきましては、引き続き、実態調査及び行政指導の適正な運用を図り、良好な生活環境の保全と防犯のまちづくりを推進し、住民の安全で安心な生活の確保に努めてまいります。

 廃棄物の減量化、リサイクルなどの環境に配慮した取組については、リデュース、リユース、リサイクルの「3R(スリーアール)運動」によるごみ減量化及び再資源化の推進と、使い切り、食べ切り、水切りの「3切り運動」による生ごみの減量化に引き続き取り組んでまいります。東日本大震災以降、本町の焼却ごみの量は、増加し高い水準で推移しておりましたが、コピー用紙等の雑がみをはじめとした分別収集の推進もあり、令和元年度の焼却ごみの量は、前年同期に比べ減少に転じております。このことは、美里町公衆衛生組合連合会、地域住民と一体となって、ごみの減量化と再資源化に継続して取り組んできた成果であると考えております。
 しかしながら、焼却ごみの量は、依然として高い水準にありますことから、令和2年度においても、地域での廃棄物の分別収集の周知徹底を図り、より一層のごみの減量化と資源化率の向上に努めてまいります。
 また、広域行政については、大崎地域広域行政事務組合の3つの焼却施設を統合し、新たに西地区熱回収施設を建設することとしておりますことから、その費用の一部を負担してまいります。

 東京電力福島第一原子力発電所事故により発生しました農林業系汚染廃棄物につきましては、早期の処分が必要であり、これまでに行った試験焼却の結果を受けて、本格的な処理を関係機関と連携しながら、進めてまいります。
 また、令和元年10月に発生した台風第19号の豪雨で流され、ほ場に堆積した稲わらについては、現在、町が借り上げている農地に収集し保管しておりますが、今後、宮城県産業廃棄物最終処分場の仮集積所に運び出し、その後、宮城県と連携して処分につなげてまいります。

 地球温暖化対策については、平成30年4月に策定しました「美里町地球温暖化対策実行計画」に基づき、みやぎ環境税や国の補助事業を活用し、公共施設の照明設備のLED化のほか、空調設備を高効率な設備に更新することで、温室効果ガスの排出抑制に努めてまいりました。令和2年度は、引き続き、これまでの取組を進めるとともに、平時における温室効果ガスの排出抑制と災害時における非常電源の確保に向けて、太陽光発電設備と蓄電池等を整備してまいります。

 消費者行政につきましては、架空請求や悪徳商法による消費者被害の防止対策や多重債務者の相談事業について、消費生活相談員を配置して解決に向けた助言やあっせんを実施してまいります。また、スマートフォンの普及により様々な情報が簡単に入手できる反面、トラブルに巻き込まれるケースや架空請求の被害が全国的に増えております。本町においても、ハガキやメールを利用した架空請求や電話勧誘による被害の発生及び相談件数が増加傾向にあることから、関係機関との連携を強化して、住民が被害にあわないよう事前防止に努めてまいります。

 次に、雇用対策について申し上げます。
 雇用情勢につきましては、ハローワーク古川における有効求人倍率が、令和元年12月末日現在で1.26倍と前年の同時期と比べ減少しているものの、依然として高い水準で推移しております。
 ハローワークでは、令和2年1月からインターネット上でこれまでの求人情報の発信のほかに、求人・求職情報のマッチング支援等が開始され、サービスの利用がより容易になることが期待されます。今後もハローワークや職業能力開発機関等との連携を継続しつつ、雇用情報及び就労訓練情報を定期的に収集し、広く周知を図りながら求職者の支援に努めてまいります。また、平成31年4月に施行されましたいわゆる「働き方改革関連法」に伴い実施されます各種制度については、引き続き、町内事業所への情報提供に努めてまいります。
 高齢者の就労促進については、急速な高齢化が進むことで、就業を希望する高齢者の増加も見込まれますことから、公益社団法人美里町シルバー人材センターの運営支援を通して、引き続き、高齢者の社会参加及び就業機会の確保に努めてまいります。

 次に、産業振興について申し上げます。
 はじめに、農業の振興について申し上げます。
 今般の農業情勢については、日米自由貿易協定、環太平洋経済連携協定、日欧経済連携協定と相次ぐ巨大自由貿易協定の発効で一段と国内農業への脅威が強まっております。
 日本農業はかつてない自由化時代に入るとも言われており、農業従事者の減少や高齢化の進行、人口減少に伴うマーケットの縮小と相まって、より厳しい環境下に置かれることが想定されます。そのような中で、行政、関係団体及び生産現場が一体となって取り組むことはもとより、生産者自らの経営判断で意欲的に経営できる環境を創出することが重要であり、多様な農業経営、攻めの農業経営を支援していく必要があります。
 そのためには、経営所得安定対策推進事業、農作物産地形成促進事業、人・農地プラン推進事業、農地中間管理事業等、施策の中核を担う関連事業の連携を強めるとともに、市場や消費者の需要に応じた生産、いわゆるマーケットインの生産体制を構築していかなければなりません。生産、流通、販売に関わる多種多様な皆様と連携しながら、地域農業の持続性を失わないよう、引き続き支援してまいります。

 町の主力作物である米、麦及び大豆の生産につきましては、需要動向に基づく生産の目安に則した作付けが行われ、国が示す適正生産量と同水準となった一方で、土地利用型の加工・業務用野菜の取組については、更なる推進が必要な状況にあります。
 このような中、経営所得安定対策につきましては、美里地域農業再生協議会が策定しております「美里地域水田農業ビジョン」に掲げられた水田農業の将来像「水田フル活用による収益性の高い農業」の実現に向け、米、麦及び大豆の需要に即した生産の振興及び所得の向上が見込まれる土地利用型野菜の産地化を図るため、生産強化に向けた体制整備を進めてまいります。

 担い手の確保対策につきましては、平成28年度以降、継続的に集落営農組織の法人化に向けた取組を支援してまいりましたが、令和元年度からは、集落営農組織の法人化の促進を図りながら、新設法人の経営安定化に向けた、実経営につながる支援に取り組んでおります。令和2年度におきましても、引き続き、各種セミナーの開催等を通して、実経営につながるより実践的な支援を展開してまいります。
 農産物の付加価値向上に向けた取組につきましては、「生み、育て、活かす」の推進方針の下、各事業者の取組段階に応じた支援を実施するとともに、農産物や加工品が持つ背景や開発のストーリーを活かした商品の創出、また、開発した商品を継続的に販売できる人材の育成に努め、販路の創出に取り組んでまいります。
 北浦梨のブランド化と販路拡大については、令和2年度においても、これまでブランド化推進に取り組んでおります「北浦梨ブランド化研究会」を引き続き支援するとともに、町内の飲食店はもとより、仙台圏域の飲食店等との連携も図りながら「北浦梨フェア」を広域的に展開してまいります。

 畜産振興につきましては、ピーク時から僅かに下落が見られるものの、子牛の取引価格は依然として高止まりの状況が続いており、繁殖農家、肥育農家の双方において、素牛導入の大きな負担となっております。
 地域内の一貫生産、耕畜連携体制を推進するため、引き続き、繁殖牛導入に係る無利子貸付を実施してまいりますとともに、肥育素牛の導入につきましても、購入助成を継続してまいります。

 農業農村整備につきましては、ほ場整備事業出来川左岸上流地区の着工、また、同地区において、農地集積や事前転作等が円滑に進められるよう関係機関とともに推進してまいります。農業用水利施設につきましても、関係機関との連携の下、適正な管理に努め、農業用水の安定利用及び水利用の合理化を促進しますとともに、台風第19号の教訓も踏まえた水利施設の計画的な更新を支援してまいります。
 一方、農業が持つ多面的な機能が将来にわたり発揮されるためには、集落機能の維持向上が必要であり、そのためには、地域ぐるみでの取組が重要となります。農地・水保全管理対策事業を継続して実施し、町内の農地、水路等、地域資源の保全管理を推進してまいります。

 大崎地域1市4町で構成する大崎地域世界農業遺産推進協議会を中心に取り組んでおります世界農業遺産の関連事業につきましては、「世界農業遺産保全計画」いわゆるアクションプランに基づき、周遊ルート、フィールドミュージアムマップ、案内表示等の整備活用、世界農業遺産ブランド認証米の推進、副読本を活用した人材育成など、フィールドミュージアム構想の具現化に向けた取組を推進しますとともに、引き続き、積極的な広報・プロモーションを展開してまいります。

 農地利用の最適化の推進につきましては、より一層、担い手への農地の集約化、遊休農地の解消と発生防止、農業従事者の新規参入の促進に努めてまいります。また、農地中間管理事業等を活用しながら、農業経営の安定化にも取り組んでまいります。

 林業施策につきましては、森林資源の適切な保全及び森林が持つ多面的機能の維持に努めてまいります。令和2年度は、森林所有者を対象に森林管理に関する意向調査を実施しますとともに、「経営管理権集積計画」の作成に着手し、森林経営管理制度の適正な運用を図ってまいります。

 次に、商工・観光の振興について申し上げます。
 令和2年1月発表の日本銀行地域経済報告における東北地方の経済見通しは、前年の同時期に比べ、「弱めの動きが広がっているものの、緩やかな回復を続けている」とされたところであります。
 一方、製造業においては外需の鈍化による影響、住宅投資においては震災復興需要の収束による影響を受けている状況であります。
 更には、消費税増税の影響と東京五輪後の反動により、景気の後退局面を迎えることが大方の予想であることから、今後の景気動向を注視するとともに、国の経済対策と協調しつつ事業者支援や消費拡大に向けた取組を推進してまいります。

 「地域経済をより元気に」その原動力である中小企業・小規模事業者を手厚くサポートします遠田商工会におきましては、経営者の高齢化や人手不足といった深刻な課題に直面する中にあってもなお、その構成会員数を維持しつつ組織率の向上を図っております。町としましては、中小企業の良き伴走者である遠田商工会への継続した支援を通じながら、経営発達段階に応じた支援、経営改善支援、事業承継支援等を推進しますとともに、生産性向上特別措置法に係る基本計画に基づき、先端設備等の導入等を支援してまいります。

 起業・創業支援の中核施設である美里町起業サポートセンター「Kiribi」は、開所してから3年目を迎えます。これまで、各種セミナーを継続的に開催するとともに、施設の利用環境の改善に取り組んだ結果、利用者の増加につながっております。令和2年度においても、引き続き、起業相談会や各種セミナー等を開催するとともに、小規模事業者支援、商品開発、販路開拓、ブランド化、物産観光の振興等、関連する業務との連携を一層深めることで、利用者の確保に取り組んでまいります。

 工業の振興につきましては、いわゆる「地域未来投資促進法」に基づく「ものづくり」「農林水産・食品産業」等の各基本計画、また、同基本計画にもとづく土地利用調整計画の円滑な推進を図るとともに、東日本大震災復興特別区域法による民間投資促進特区制度、更には、美里町企業立地促進奨励金制度等の活用を図りながら、既存事業所への支援及び新規事業所の誘致に努めてまいります。

 観光・物産の振興につきましては、関係機関と連携を図りながら、各種観光イベントや物産イベント等を積極的に展開し、町の魅力を発信してまいります。また、町内の土地、歴史、建物など地域資源の洗出しを行い、将来の観光資源化に向けた検討を実施するとともに、各種催事に対する支援につきましても、従来の催事支援に加え、企画提案型の催事支援を実施することにより、新たな催事の掘り起しと賑わい創出を図ってまいります。
 美里町交流の森・交流館「でんえん土田畑村」については、平成30年度に策定しました長寿命化計画に基づいて、令和2年度に大規模改修を実施し、施設の長寿命化と施設利用者の利便性の向上を図ってまいります。また、物産観光拠点と位置づけておりますことから、田園風景が広がる南郷地域の魅力を様々な形で発信し、交流人口の拡大や地域の賑わいを創出、ひいては地域の活性化につながるよう取り組んでまいります。地域農業の発展と地域経済の推進拠点となっております美里町農産物直売所「花野果市場」については、空調設備の更新工事を行ってまいります。

 次に、土木行政について申し上げます。
 はじめに、道路事業について申し上げます。
 道路は、住民の生活を支える社会基盤であるため、引き続き安全で安心な維持管理及び整備に努めてまいります。
 道路維持管理は、道路の点検、パトロール等を実施し、状況を把握しながら、適切に対応してまいります。また、劣化が進む施設の修繕については、橋りょうの点検及び修繕を行いながら、主要な幹線道路の修繕工事を進めてまいります。道路整備については、交付金事業を活用した歩行スペース確保等の整備及び令和元年度に引き続き集落道路等の整備を実施してまいります。
 国道及び県道の整備や環境改善の推進につきましては、「美里町内国道・県道整備促進期成同盟会」を中心に要望活動を進めてまいります。国道は、渋滞緩和対策として国道108号の道明(どうみょう)及び蛇沼(じゃぬま)交差点の改良事業、県道は、事業着手している主要地方道石巻鹿島台色麻線の歩道整備及び主要地方道鹿島台高清水線と国道108号小牛田バイパスを直結する牛飼バイパスの整備について、早期完成を強く要望してまいります。

 排水対策については、近年、集中豪雨による被害が全国的に多発しておりますことから、町内の排水施設の維持管理に一層努めてまいります。また、排水不良箇所とされている南郷地域の排水対策については、農業集落排水事業を活用し、実施してまいります。

 公園施設については、長寿命化計画に基づき、施設の改修等を行うとともに、都市公園の施設等点検及び修繕を実施し、利用環境の改善整備に努めてまいります。また、チビッコ広場については、実情に即した維持管理に努めてまいります。

 次に、建築行政について申し上げます。
 災害に強いまちづくりを促進するため、道路沿いの危険なブロック塀等の除去に対する支援を実施するとともに、木造住宅の耐震診断、耐震改修につきましても支援を継続し、住民の安全確保に努めてまいります。
 また、住宅施策については、公営住宅等の長寿命化計画に基づき、令和元年度から町営北浦第二住宅及び町営山の神住宅の建替工事に着手しておりますが、令和2年秋以降の入居を目途に現在、工事を進めております。また、そのほかの町営住宅についても、快適な住環境の整備を引き続き進めてまいります。

 次に、居住環境対策について申し上げます。
 水道事業会計につきましては、令和元年10月使用分から水道料金の改定を実施しておりますが、更なる経営の効率化を図りながら、持続可能な事業運営と健全経営に努めてまいります。
 安全で安心な水道水を安定供給するため、引き続き、石綿セメント管更新による管路の耐震化や蜂谷森配水池に緊急遮断弁を設置するほか、漏水調査を継続して実施することにより有収率の向上を図ってまいります。また、令和2年度は、将来にわたって、管路をはじめ水道施設全般を効率的かつ効果的に維持管理するために、水道施設更新計画を策定してまいります。

 下水道事業につきましては、「美里町下水道基本構想」に基づき、生活環境の改善及び公共水域の水質保全を図るため事業を進めてまいります。公共下水道事業は、本小牛田・北浦・青生地域の未整備地区の整備を進め、供用開始区域の拡大を図ります。また、必要に応じて全体計画の見直し、事業計画の変更を行ってまいります。農業集落排水事業については、施設の長寿命化を図るための「最適整備構想」に基づき、南郷第2地区及び南郷第3地区の処理施設の改修工事、中埣地区の改修に向けた実施設計に着手してまいります。浄化槽設置整備事業は、合併浄化槽の設置に対する補助制度を活用し、実施してまいります。
 下水道の健全な経営については、安心で快適な下水道サービスを持続的かつ安定的に提供するための指針として策定しました「美里町下水道事業経営戦略」に基づき、引き続き下水道接続奨励金を活用しながら下水道への早期接続を推進し、水洗化率の向上と健全な財政運営に努めてまいります。
 農業集落排水事業で取り組んでおります南郷地域の雨水対策事業については、「南郷地域排水実施計画」に基づき、早期の工事完了に向けて継続して取り組んでまいります。
 なお、上下水道事業の窓口サービスの利便性向上と緊急時等における迅速な対応を図ることを目的として、上下水道事業の組織統合に向けた準備を進めてまいります。

 次に、防災及び消防体制を確立するための対策について申し上げます。
 防災対策につきましては、「美里町地域防災計画」に基づき、防災体制の維持に努めるとともに、平成30年3月に策定しました「美里町消防施設等整備計画」に基づき、防災施設の適正な管理に努めてまいります。
 地域防災については、行政機関や消防機関だけでなく、自主防災組織、企業等を含めた、地域が一体となった地域総合防災による取組が有効でありますことから、自主防災組織間の連携強化など、地域総合防災体制の一層の強化について、今後も引き続き支援してまいります。また、防災行政無線の戸別受信機設置に対する補助制度を継続し、聞こえにくい地区、聞こえにくい場所の解消に努めてまいります。

 消防団については、火災のみならず、地震、大雨等による災害時の応急対応と住民に対する避難情報の伝達、被害情報の収集等、その果たす役割は非常に大きなものがあります。特に、火災発生時には、消防団による初期消火活動の重要性が高いことから、消防団員の確保に努めるとともに、遠田消防署等関係機関の協力を得て団員の規律や操法技術の向上、更には、消防団組織の充実強化に一層努めてまいります。また、予防消防については、婦人防火クラブ、消防団後援会等の関係団体と連携しながら、住宅用火災警報器の設置の促進と維持管理の周知、火災予防広報等の啓発活動に、引き続き取り組んでまいります。

 近年、局地的集中豪雨等が全国的に発生し、大きな被害をもたらしています。令和元年10月に発生した台風第19号が、記録的な大雨により宮城県のみならず全国各地に甚大な被害を及ぼしたことは、記憶に新しいところです。本町においても避難勧告を発令し、多くの住民が避難した事例を踏まえて、避難所で必要な備品や飲食料品などの備蓄数量を見直すとともに、全庁的な災害対応力の向上を図るため、避難所運営マニュアル等を作成し、自然災害に対する備えを確立し、安全・安心を実感できるまちづくりを進めてまいります。また、仙台管区気象台の気象に関する「災害情報提供システム」や宮城県の「土砂災害警戒情報システム」等に加え、「気象データ観測システム」を活用することで、常に最新の情報を収集し、住民に対して適時適切に情報を提供できるよう対応してまいります。更には、河川を管理する国及び宮城県におかれましても、引き続き適正な管理と定期的な巡視を継続していただくとともに、危険箇所の抜本的な改修工事を早期に実施するよう、本町から強く要望してまいります。
 総合防災訓練については、東日本大震災や令和元年台風第19号の教訓から、公助と共助の役割の連携に重点を置きつつ、住民参加型の水防訓練項目を加えながら実施し、原子力防災訓練につきましても国及び宮城県と連携しながら引き続き実施してまいります。

 東京電力福島第一原子力発電所事故から9年が経過しようとしておりますが、いまだに多くの福島県民の方々が全国各地に避難を余儀なくされております。また、年月の経過から事故の記憶の風化が危惧されるところです。UPZ自治体である本町としましても、UPZ関係自治体首長会議や首長懇談会において協議を進めながら、女川原子力発電所の再稼働に反対する姿勢を貫き、同時に原子力災害対策に備えていかなければならないと考えております。

 次に、教育行政について申し上げます。
 教育行政全般については、「美里町教育大綱」として位置付けている「美里町教育振興基本計画」に基づき、計画に定めた施策を実施するとともに、その施策の実施状況を確認するためにも、教育委員会において、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、「教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価」を厳正に行い、事務の管理及び執行について実効性を高めていくよう努めてまいります。
 なお、本計画の計画期間は、令和2年度までとしておりますことから、次期計画の策定に取り組んでまいります。

 次に、新中学校の整備について申し上げます。
 令和元年度は、教育委員会において「新中学校施設基本計画」が策定され、教育財産取得の申出がありましたことから、新中学校整備推進事業を立ち上げ、新中学校建設予定地の調査等を進めてまいりました。
 令和2年度は、土地造成のための実施設計、開発許可等の手続を行うとともに、新中学校建設予定地を適切な時期に取得してまいります。また、設計・施工・維持管理を包括的に発注するための準備を教育委員会と連携し進めてまいります。
 教育委員会においては、新中学校の開校に向けた準備を進めるため、「(仮称)新中学校開校準備委員会」を設置し協議してまいります。

 次に、学校施設の維持管理について申し上げます。
 学校施設については、学校施設長寿命化計画に基づき、南郷学校給食センターの改修工事を実施し、施設の長寿命化に取り組むとともに、各学校施設についても、児童生徒が安心して学校生活が送れるよう引き続き、適切な維持管理に努めてまいります。

 次に、小学校、中学校及び幼稚園の教育振興をはじめ教育行政の各施策について、順次申し上げます。
 平成29年3月に新しい小中学校学習指導要領が公示され、3年の移行措置期間を経て、令和2年4月から小学校で新学習指導要領が実施されます。子どもたちが自ら課題を発見し、自ら考え、相手と話し合い、協働してその解決に向かう力を育てる「主体的・対話的で深い学び」ができるよう、また、通常学級にも障害のある児童生徒のみならず「困難さ」を抱え、特別な支援を必要とする児童生徒が在籍している可能性があることを前提にした指導が行えるように、教育環境づくりに努めてまいります。
 学力向上については、平成29年度から小中学校に1人ずつ配置しております学力向上支援員を令和2年度においても引き続き配置し、国語も含め、算数及び数学の基礎的な学力の修得に努めてまいります。

 次に、特別支援教育について申し上げます。
 これまで、特別支援教育専門員を教育委員会事務局に専従で配置し、増加傾向にある特別支援が必要な児童生徒及び園児の保護者並びに教職員に対して、専門的な立場からの助言や指導を行える体制を確立し、取り組んでまいりました。令和2年度においても特別支援教育専門員を引き続き配置し、特別支援教育コーディネーターなどとの連携を密にしながら、児童生徒、園児が障害の有無に関わらず、共に教育を受けるための教育環境の充実に一層努めてまいります。

 次に、いじめ防止・不登校対策について申し上げます。
 令和2年度においても、引き続き青少年教育相談員を配置することで、各学校の現状を的確に把握し、いじめの未然防止と早期対応に重点的に取り組むと同時に、美里町いじめ問題対策連絡協議会及び美里町いじめ防止対策委員会の2つの機関を中心に、いじめの実態について情報の共有を図りながら、効果的ないじめ防止対策について、検討してまいります。不登校対策につきましては、青少年教育相談員を中心に、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門的職員の活用を図り、教育委員会と学校との連携を密にして、学校に行けない児童生徒とその家庭に対し、継続した働きかけと支援を行ってまいります。スクールソーシャルワーカーは、平成30年度から中学校に1人ずつ配置し、令和元年度からは、その活動を小学校にも拡大しております。令和2年度においても、同様にスクールソーシャルワーカーを配置し、活用してまいります。

 次に、幼稚園教育について申し上げます。
 幼稚園教育は、近年の保育行政への需要の高まりから、幼稚園が単に就学前の幼児教育機関としてだけではなく、保育機関としての役割を果たすことも非常に重要となってきております。令和2年度においても、引き続き町内の3幼稚園において、預かり保育を実施し、できる限り受け入れる予定であります。
 こうした保育行政への需要に対応しながら、子育て支援を進めていくと同時に、集団生活を通して自主、自律及び協同の精神と規範意識の芽生えを促すなど、就学前の3歳から5歳までの園児の幼児教育に努めてまいります。

 次に、社会教育について申し上げます。
 住民一人一人が自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、生涯にわたってあらゆる機会にあらゆる場所を利用して学習することができるよう努めてまいります。
 家庭教育につきましては、学校、地域社会、行政が連携して、町内の各家庭に対して情報提供や相談対応等で家庭教育を支援してまいります。
 青少年教育につきましては、美里町青少年健全育成町民会議などの青少年の健全育成に取り組む団体の活動を支援してまいります。
 地域の教育力につきましては、学校と地域が一体となって子どもたちを育む体制を充実してまいります。
 生涯学習環境につきましては、地域の学び・活動の拠点である地区コミュニティセンター等が実施する生涯学習事業に対して継続した支援を行ってまいります。

 図書館の運営につきましては、「美里町近代文学館・南郷図書館運営方針」に基づいて、子どもから高齢者までの誰もが、いつでも「学ぶ」「知る」ために資料、情報、学習の場を提供し、生涯学習の拠点になるよう事業に取り組んでまいります。特に、地域の歴史を伝えていくための地域資料の収集保存、高齢者や障害者が利用できる大活字本、録音図書の収集を行うとともに、千葉亀雄記念文学室の活用を図るために、「千葉亀雄研究会」と連携を密にし、その活動の活性化に努めてまいります。

 文化財保護につきましては、「美里町文化財保護活用基本方針」に基づき、文化財の保護に努めてまいります。令和2年度においては、指定文化財候補「応安の板碑」の新規指定に向けた調査を継続するとともに、地域の一級史料である「後藤家文書」の解読作業を東北大学の協力をいただきながら進めてまいります。文化財の活用につきましては、町で所蔵する各種資料の整理と調査を行い、出前講座や資料貸出等に用いることで、住民への周知や学習にいかしてまいります。
 美里町郷土資料館につきましては、「美里町郷土資料館運営方針」に基づき、美里町の多様で豊かな自然と歴史・文化について、住民と共に探求し、保全・継承し、その価値を広く発信してまいります。また、引き続き企画展や講座を開催するとともに、民俗資料や古記録の収集・調査を行い、歴史・文化を守り伝える拠点として積極的に活用してまいります。

 最後に、スポーツ活動の推進について申し上げます。
 平成31年3月に策定しました「美里町スポーツ推進基本方針」の基本目標として、「誰もが、いつでも、どこでも」スポーツに取り組める環境を整え、スポーツを「する」「みる」「ささえる」ことで楽しさ、喜びを享受できることを掲げております。関係団体と連携・協力し、引き続き自主的な活動を支援するとともに、計画的な施設の維持管理に努めてまいります。
 なお、令和2年7月に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。スポーツを身近に感じることができる良い機会になるものと考えております。

 以上、令和2年度に実施する各分野の政策を中心に、私の所信を申し上げてまいりました。
 しかし、皆様御承知のように、新型コロナウイルスによる感染の拡大が世界各地から報告され、日本国内においても感染の拡大が心配されております。
 本町では、現在のところ感染者の発生はございませんが、今後においても感染者の発生を極力抑えるために、これまで以上に、感染症対策に努めていかなければなりません。
 また、こうした中で、これまで申し上げてまいりました各分野の政策に基づく、各種の事務事業が計画どおり実施できるものか、懸念されているところであります。感染症の拡大防止を最優先課題とし、町が計画している各種の事務事業の実施時期、実施場所、実施内容の見直し、更には事務事業の実施の可否についても、判断を迫られてくるものと懸念されているところであります。
 議員各位並びに町民の皆様に、こうした厳しい状況下にあることに御理解を賜りますとともに、今後の御指導、御協力を心からお願い申し上げ、令和2年度の施政方針といたします。


施政方針(PDF)

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